『魔法少女育成計画 restart』は、16人の魔法少女が仮想世界で命を懸けたサバイバルを繰り広げるシリーズ第2作です。
作中で死亡した魔法少女や、結末・エピローグ部分を含めた感想を書いていきます。
魔王や黒幕の正体について言及しているので、ネタバレを含みます。閲覧の際はご注意ください!
『魔法少女育成計画 restart』とは
特徴・見どころについて
『魔法少女育成計画 restart』は、可憐な魔法少女たちが命をかけて生き残りを争う、ダークな展開が魅力のシリーズ第2作目です。
今作では16人の魔法少女が、RPG風の仮想世界に突如ログインさせられ、「魔王を倒す」ゲームのテストプレイをすることになります。
3日ごとにログインとログアウトを繰り返しながら、パーティーを組んで探索・戦闘に挑んでいきます。
最大の見どころは、中盤以降に判明する「魔王はプレイヤーの中にいる」という展開。
前作よりもサスペンス要素が増え、それにともなってキャラクターの描写も増量しているので、より魔法少女の魅力を感じやすいと思います。
さらに、集められた魔法少女たちの共通点や、ゲームマスターの真の目的も徐々に浮かび上がります。
直接的な殺し合いだけでなく、16人の中に裏切り者がいるかもしれないという人狼ゲーム的な緊張感も『restart』ならではの魅力です!
作中の勢力・チーム分けについて紹介
『restart』では、魔法少女たちはいくつかのパーティーに分かれて行動します。
ここでは初期のパーティー構成と魔法少女ごとの魔法などを紹介します。
ペチカパーティー
- ペチカ :『とても美味しい料理を作れるよ』
- クランテイル:『半分だけいろんな動物に変身できるよ』
- リオネッタ :『人形を思い通りに操ることができるよ』
- 御世方那子 :『どんな動物とも友達になれるよ』
プフレパーティー
- プフレ:『猛スピードで走る魔法の車椅子を使うよ』
- シャドウゲール:『機械を改造してパワーアップできるよ』
- マスクド・ワンダー:『いろんなものの重さを変えられるよ』
@娘々パーティー
- @娘々:『お札の中にものを閉じ込められるよ』
- のっこちゃん:『まわりの人の気分を変えられるよ』
- マジカルデイジー:『必殺のデイジービームを撃てるよ』
- 夢ノ島ジェノサイ子:『魔法のスーツでどんな攻撃でも平気だよ』
ディティック・ベルパーティー
- ディティック・ベル:『たてものとお話できるよ』
- チェルナー・マウス:『ものすごく大きくなれるよ』
- ラピス・ラズリーヌ:『宝石を使ってテレポートできるよ』
- メルヴィル:『色を自由に変えられるよ』
その他キャラクター
- アカネ:『見えているものならなんでも斬れるよ』
- キーク(ゲームマスター):『電脳空間で自由自在に行動できるよ』
- スノーホワイト(前作主人公):『困っている人の心の声が聞こえるよ』
キャラクターごとの詳細やあらすじについては以下の記事で紹介しています。

ストーリーの感想【ネタバレあり】
『戦わない魔法少女』の強さ
『魔法少女育成計画』シリーズといえば、定番のように登場する「精神や感情に干渉する魔法」の魔法少女たちです。
いわゆる洗脳・支配系の能力で、シリーズのどの作品でも強キャラとして描かれることが多い印象があります。多くは「戦う魔法少女」で、本人の資質を含めて戦いに長けていることがほとんどです。
そんな中、『restart』で登場したのっこちゃんは、洗脳系に似た魔法を持ちながら、戦闘能力は決して高くありません。むしろ、戦わない魔法少女です。それでも、終盤まで誰にも招待を見抜かれず立ち回った演技力と、魔法の巧みな応用ぶりは圧巻でした。
普段はクラスの雰囲気をよくするために魔法を使ったり、入院中の母の気持ちを少しでも軽くしたりと、健気で優しい姿ばかりが印象に残ります。そのため、終盤で少し怪しいことが起こっても、いま暴れているメルヴィルや視点を持っていないプフレの方が怪しく思えていました。
のっこちゃんの存在を振り返ると、『restart』のテーマのひとつである「魔法少女には『戦う魔法少女』と『戦わない魔法少女』がいる。だからといって『戦わない魔法少女』が弱いわけではない」というフレーズに、これ以上なく当てはまっていると感じます。
表だって戦うことはなくても、確かに物語を支配していました。こういったテーマを宿す魔法少女たちの戦う姿が『restart』の見どころだと感じました!
『restart』屈指のベストバウト
メルヴィルは、ディティック・ベルのパーティーに所属していた魔法少女です。ツインテールに絡む紫の薔薇、尖った耳は妖精のようなデザインで、前作に登場するクラムベリーを思わせるような容姿をしています。
序盤は言葉の訛りが強い以外に存在感はあまりなく、地味という印象でした。
ちなみに、メルヴィルは本編内で自分の魔法を「風景に溶け込む」と申告しており、『まほいく』のカラーのキャラ紹介ページに書かれている魔法と異なる内容でした。そのため、ここで何かしら怪しいと思った方もいるかもしれません。それでも、前編では目立った活躍はなく、影の薄さは否めませんでした。
しかし、後編の9章以降に突入するとメルヴィルの地味な印象は一変。魔法少女殺しの黒幕らしい殺戮ラッシュを見せます。
9章ではディティック・ベルを背後から撲殺。10章ではリオネッタ、ペチカ、ラピス・ラズリーヌを怒涛の勢いで殺害していきます。そのテンポが非常に速く、メルヴィルがここまで強かったのかと驚きました。
特に魅力を感じたシーンはメルヴィルvsペチカの一戦です。ペチカの魔法は「5分間触れたものを食べ物に変える」というもので、戦闘向きとはいえない能力でした。
ですが彼女は5分という魔法少女同士の殺し合いでは絶望的なほど長い時間を稼ぎ、最後には地面を「南瓜とエビの冷製スープ」に変えてメルヴィルを道連れに地底湖へ落とすことに成功します。
結果としては殺されてしまうものの、戦わない魔法少女として見事な活躍を見せていました。本音を言えば生き残ってほしかったですが、死に様があまりにも美しかったので、見応えはありました。
さらに続くメルヴィルvsラピス・ラズリーヌ戦も、ディティック・ベルの仇を討つために戦う姿が描かれ、バトルの緊張感は最後まで緩むことがありません。
この「vsメルヴィル」の場面は、『restart』の中で一番の名バトルシーンだったと思います!
結末とエピローグ|生き残り組とゲームマスターの最期
エピローグでは、魔王が生き残り組のプフレ、シャドウゲール、クランテイルに交渉したときの様子が描かれていました。
のっこちゃんは最後の最後で追い詰められたものの、毅然とした態度で目的を達成することができました。そのシーンで語られる「戦わない魔法少女が弱いわけではない」という文章が、今までののっこちゃんの描写を見ていると、本当にその通りだと感じます。
また、11章のラストではゲームマスター「キーク」の最後の登場シーンがあります。キークはクラムベリーの子供たち=正しくない魔法少女と考えており、もう一度選別しようとしたため『restart』が始まりました。
ゲーム内でマジカルデイジーなどの魔法少女が死んでもお構いなしで、直接関係のないラピス・ラズリーヌを巻き込んだことが判明しても、悪びれる様子は一切ありませんでした。
実は、キークもクラムベリーに影響されて殺し合いをさせていた「ピティ・フレデリカ」の試験を受けていました。正しい魔法少女に拘ったのは、そうした背景があるからだと考えられます。
その試験を受けたことで人格すらも変わってしまったか、あるいは自分が正しくない側だということを認めたくないのか、そうした理由があって正しさに囚われていたのかもしれません。
その後、スノーホワイトの活躍によりピティ・フレデリカの情報を提示され、結果として精神が崩壊してしまいます。キークは電脳世界では敵なしの魔法を持ちますが、自分のアイデンティティを揺るがされたことで、スノーホワイトに敗北してしまいます。
これまでキークがやってきたことを考えると、スカッとする結末ではないように思えました。ですが、その後味の悪さと、エピローグの生き残り組が墓参りに向かうシーンの切なさが合わさって、不思議と嫌な気分にはなりませんでした。
死亡キャラ一覧|理由・背景を死亡した順番に紹介
本作では多くの魔法少女たちが命を落とします。
ここでは、死亡した順番に退場したキャラを紹介し、それぞれの死因や状況について紹介していきます。
魔王の正体などの情報も含まれているのでご注意ください!
1人目の犠牲者
- 名前:マジカルデイジー
- 死亡した章:第2章
- 死因:デイジービームを反射されて自爆する形で死亡
『まほいく』世界においてアニメ化された有名魔法少女・マジカルデイジーは『restart』初の犠牲者となりました。
同じパーティーの「夢ノ島ジェノサイ子」や「のっこちゃん」が彼女のファンで、物質の消滅させるデイジービームを披露。
しかし、敵は飛び道具を反射する赤いスケルトンで、ビームが跳ね返り自爆してしまいます。
ちなみに、本作の主な舞台となるゲーム世界はキークが作成していました。
そのキークがどのような経緯でゲームを作るに至ったかについては、以下の短編集『魔法少女育成計画 episodesΔ』の『魔法少女育成計画ができるまで』で明かされます。よければそちらもご覧ください!
2人目の犠牲者
- 名前:マスクド・ワンダー
- 死亡した章:第3章
- 死因:背後から後頭部を強打されて死亡
ログアウト後、再ログインしたシャドウゲールが彼女を発見。
後頭部を殴打されており、しかもアイテムやキャンディが奪われていました。
前章でプフレ&シャドウゲールとパーティーを組んだ直後の出来事であり、他の魔法少女による人為的な犯行だということが示唆されている場面でした。
3人目の犠牲者
- 名前:夢ノ島ジェノサイ子
- 死亡した章:第3章
- 死因:アカネに斬られて死亡
第3章、ファルによって魔法少女たちが一堂に集められた際、マスクドワンダーやマジカルデイジーの死についての話題が持ち上がります。
そのとき、ジェノサイ子はアカネに話しかけました。
アカネは逆に「音楽家か?」と問いかけ、ジェノサイ子がかつて自作の歌を動画サイトに投稿していたことを明かします。
すると、アカネの魔法によりジェノサイ子の身体は斬り裂かれました。
溶岩の中にいても平気なほど耐久力のあるスーツでしたが、スーツの内側の身体を斬られて死亡してしまうのでした。
4人目の犠牲者
- 名前:アカネ
- 死亡した章:第3章
- 死因:@娘々に敵討ちされて死亡
ジェノサイ子が倒れ、アカネはさらに暴れ出します。
アカネはクラムベリーの試験によって正気を失ってしまい、敵味方の区別なく襲うようになっていました。
その後、@娘々が行動を起こします。
粉塵が舞う中、アカネとのっこちゃんが対峙し、その間に@娘々は魔法で廃ビルを札から召喚して上空から落とします。
そうして廃ビルに押しつぶされて、アカネは死亡しました。
アカネは本編中において、正気を失っています。そうなったのはクラムベリーの試験が原因でした。直接その内容は描かれませんが、アカネがまともだった時期の短編を読むと、そうなった理由がわかるかもしれません。良ければ読んでみてください。
5人目の犠牲者
- 名前:チェルナー・マウス
- 死亡した章:第4章
- 死因:キャンディの個数が足りず死亡
キャンディの稼ぎ場を独占し、他パーティーを締め出していたチェルナー・マウスは、プフレに決闘を申し込まれます。
決闘はチェルナーが勝利し、それからログアウト直前の集合がかかる魔法少女たち。
このとき、15分後にキャンディの数がもっとも少ないプレイヤーが死ぬというイベントが発生。
全員のキャンディ数を同じにすることで誰かが脱落するという危機を脱したと思いきや、チェルナーだけキャンディの数が少なくなっていたため死亡してしまいます。
6人目の犠牲者
- 名前:@娘々
- 死亡した章:第5章
- 死因:ドラゴンの吐く炎に焼かれて死亡
5章ではプフレがエリア解放ミッションを発見し、他のプレイヤーに協力を求めました。
ほとんどのプレイヤーが参加し、地底エリアの先にいるドラゴンを討伐しようとします。
ですが、突如として死んだはずの夢ノ島ジェノサイ子が現れました。
そのエリアでは足下に引かれている線を越えなければ攻撃はしてこないシステムでした。
しかし、夢ノ島ジェノサイ子は@娘々に駆け寄り、2人で一緒にドラゴンの攻撃を誘発する線を越えてしまい、@娘々は炎に焼かれて死亡してしまいました。
7人目の犠牲者
- 名前:御世方那子
- 死亡した章:第8章
- 死因:モンスターに体内を食い破られて死亡
魔王城にたどり着いたことで、モンスターたちが変身能力の獲得など強化を受けました。
図書館エリアではリオネッタが不意打ちを受け、苦戦を強いられます。
直前まで彼女と口論していた御世方那子でしたが、とっさに援護しようとリオネッタを庇います。
しかし、蛇のような姿に変身したモンスターが、敵に視界を塞がれていた那子の体内に侵入し、内部から食い破るという凄惨な攻撃を仕掛けます。
それによって那子が力尽きて死亡してしまいました。
8人目の犠牲者
- 名前:ディティック・ベル
- 死亡した章:第9章
- 死因:背後から殴られて死亡
魔王城にたどり着いた魔法少女たちでしたが、魔王は最奥の部屋にいませんでした。
魔王の正体に迫るべく、魔王城を調査していたディティック・ベルは、ショップで「記憶回復装置」と呼ばれる新アイテムを発見。
それに反応して「失われた記憶を取り戻しますか?」というメッセージが表示され、不審に思った矢先、何者かに背後から襲われてしまいます。
そして、そのアイテムを奪われないよう「魔法の端末」をディティック・ベルの魔法で隠し、ラピス・ラズリーヌに託して死亡しました。
9人目の犠牲者
- 名前:リオネッタ
- 死亡した章:第10章
- 死因:メルヴィルに首を折られて死亡
実はメルヴィルに脅され、彼女の手助けをしていたリオネッタ。
ペチカを守り、魔王を倒してゲームを終わらせようとした彼女はメルヴィルに牙をむきます。
ですが、返り討ちに遭ってしまい、奥の手も一歩のところで致命傷には至らず、死亡してしまいます。
10人目の犠牲者
- 名前:ペチカ
- 死亡した章:第10章
- 死因:メルヴィルの銛に体を貫かれて死亡
メルヴィル戦において、地面をスープに変えてメルヴィルもろとも地底湖に落ちたペチカ。
クランテイルはペチカを助け、水面に浮上して抱きかかえます。
そのとき、メルヴィルの匂いを感じ取ったペチカが攻撃を察知し、クランテイルを庇う形で背中に銛が刺さり、死亡してしまいます。
11人目の犠牲者
- 名前:ラピス・ラズリーヌ
- 死亡した章:第10章
- 死因:メルヴィルに心臓を刺されて死亡
ラズリーヌから宝石を貰っていたクランテイルは、魔法の端末で彼女を呼び出します。
その後、ラズリーヌは魔法でテレポートし、メルヴィルと対峙。
砕いた宝石ひとつひとつにテレポートしながら攻撃を浴びせるなど、短い時間の中で激しい攻防を繰り広げます。
しかし、ダメージ覚悟で反撃したメルヴィルに銛で心臓を一突きされ、死亡してしまいます。
12人目の犠牲者
- 名前:メルヴィル
- 死亡した章:第10章
- 死因:ドラゴンに変身したクランテイルに倒されて死亡
ラズリーヌの死後、迫ってきたクランテイルも殺そうとするメルヴィル。
そのとき、クランテイルは下半身を巨大なドラゴンに変身させました。
急所である心臓は攻撃が届かない位置にあり、死んだはずのラズリーヌが足を掴んだことでクランテイルの攻撃を受けます。
そして、ドラゴンの爪に引き裂かれて死亡しました。
13人目の犠牲者
- 名前:のっこちゃん
- 死亡した章:第11章
- 死因:正体が魔王だとバレて自殺
生き残ったプフレ、シャドウゲール、クランテイルは誰が魔王か疑いながら戦います。
実は、のっこちゃんが魔王であり、直前で死んだと見せかけて近くに隠れていました。
最後の一人になるまで争わせて、『まわりの人の気分を変えられる』魔法で残る一人も自殺に追い込もうと企んでいました。
しかし、プフレがのっこちゃんの魔法に気付き、噴水の底にあった隠れ場所が暴かれてしまいます。
そのとき、のっこちゃんは「取引しませんか」と持ち掛け、報酬の一部を指定した住所に届けてほしいと告げます。
のっこちゃんはその後、スコップの刃を自分の首に刺して自殺を図るのでした。
まとめ
『restart』は戦う魔法少女と戦わない魔法少女の在り方を描き、意外な魔王の正体や激しい戦闘で最後まで緊張感が続く物語でした。
魅力的なキャラクターたちの結末を、ぜひ本編で味わってみてください!
別の記事では『魔法少女育成計画』の読む順番について紹介しています。よければそちらもご覧ください!
また、他の記事では、まほいくシリーズ全巻のストーリーを簡単に紹介しているので、気になる方は読んでみてください。

