『少女終末旅行』のラストは、解釈の余地を残したエンディングとして描写されました。
特に最終ページで描かれた「黒い石」にはいろんな解釈ができると思います。
この記事では、
- 漫画の最終回までの流れ(ネタバレあり)
- アニメ版との違い
- チトとユーリは死んだのか?生きているのか?という解釈
といったポイントを整理して解説します。
『少女終末旅行』最終巻をネタバレ解説|チトとユーリの生死についての解釈も紹介
基本情報と作品概要
『少女終末旅行』は、文明崩壊後の世界を舞台にしたポストアポカリプス作品です。
2014年から2018年にかけて新潮社のウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」で連載され、単行本は全6巻で完結しました。
また、2017年にはWHITE FOX制作によりテレビアニメ化され、全12話が放送されています。
人も食料もない絶望的な世界観の中で描かれるほのぼのとした二人の日常や哲学的な会話が魅力です。
ゆるやかに終わりへ向かう、チトとユーリの旅の終着点
最終巻では、チトとユーリの旅が静かに終わりへ向かっていきます。
これまで頼りにしていたケッテンクラートが壊れて動かなくなり、彼女たちは荷物を減らして歩いて進むしかなくなります。
このとき、寿命が来たケッテンクラートを手放すことになり、チトは少しずつ死を悟ったのだと思います。
入浴中にチトが涙を流す場面や、「持てるものだけ持っていこう」と語る背中には、確かな喪失と諦めが滲んでいました。
本を燃やして暖をとり、最後には日記まで手放す二人。
その様子からは、まるで記憶が少しずつ消えていくような寂しさが伝わってきます。
「忘れるのが怖かった」というチトの言葉も、静かに心に刺さりました。
それでも、二人は歩みを止めません。
暗く長い螺旋階段を登り続け、ついに最上層へ辿り着きます。
そこには、期待していた何かはなく、ただ雪と大きな黒い石が佇んでいるだけでした。
チトが後悔の言葉を呟く中、アニメのEDで描かれたような雪玉の投げ合いを経て、ユーリは「生きるのは最高だったよね」と笑いながら言いました。
何もない場所で交わされたその一言には、今までの旅すべてを肯定するような不思議な力があるように感じられました。
絶望に包まれていても、ふたりがともに生きた時間は確かにあった――そんな思いが、読後もずっと残り続けるラストでした。
チトとユーリは死亡した?生死の解釈について
『少女終末旅行』のラストにおいて、チトとユーリが「生きているのか」「死んでしまったのか」のは明確に描写されていません。
最上層で黒い石の前にたどり着いた二人は、そこで食料を分け合い、毛布にくるまって眠りにつきます。
しかし、その後の描写では彼女たちの姿は描かれず、残されたのはヘルメットと荷物だけ。
明確に「生きている」「死んだ」とは断定されていません。
この結末には、いくつかの解釈が存在します。
死亡説について
まず、死亡説の根拠として挙げられるのは、二人の会話や持ち物の描写です。
たとえば、「起爆用の銃弾はユーが持ってたよね?」というチトの台詞や、ナイフ・ロープなど死を連想させる物が手元にあったことも見逃せません。
食料もなく、移動手段も壊れたことで生き延びる手段がないと悟った二人が、静かに最期を迎えたのではという解釈につながっています。
生存説について
一方で、生存説もあります。
たとえば、二人は明確に「死ぬ」と口にしてはいませんし、あくまで「少し寝て、それから考えよう」と語っています。
それはあの場所で休息を取り、また目覚めて歩き出す意志を残しているようにも読めます。
さらに、単行本では最終ページにチトとユーリの姿が描かれない一方で、彼女たちのヘルメットや荷物だけが残されている描写がありました。
石がどれほど関わっているかは不明ですが、「どこか別の場所へ移動した」とも受け取れる演出です。
また、チトとユーリの世話をしていた「おじいさん」が上に行けとも言っていました。
上層付近でも戦争の跡は残っていますし、ただ二人を戦禍から逃れさせたいだけなら上に行けとは言わないように思えます。
このように、作品のラストには明確な答えがなく、読者の解釈に委ねられています。
しかし、チトとユーリが最後に交わした「生きるのは最高だったよね」という言葉にすべてが詰まっているように感じました。
生きることに正解も不正解もない――それでも二人がこの旅路をともに歩んだこと、その時間こそが本作における「最高の結末」だったのではないでしょうか。
漫画とアニメのラストを比較【ネタバレあり】
漫画のラストについて
前述した通り、チトとユーリはついに都市の最上層に辿り着きます。
長い螺旋階段を登り切った先にあったのは、満天の星空とただ一つ佇む黒い大きな石だけでした。
最上層には期待したような人々との出会いも食料もなく、チトは後悔の言葉をこぼします。
そのとき、ユーリはチトに雪玉を投げて以下の台詞を言います。
どうするのがよかったのかも、どうしてこんな世界に二人っきりなのかも……何もわかんないけど…生きるのは最高だったよね…
チトもそれに同意をし、二人は所持品を確かめると、残ったレーションで最後の食事をとることにします。
そして、「ねぇ…これからどうする?」というチトの問いかけに、ユーリは「とりあえず食べて…少し寝て…それから考えよう」と返し、二人は毛布にくるまって寄り添いながら静かに眠りにつきます。
こうして『少女終末旅行』は幕を下ろしました。
荷物にはナイフやランタン、爆薬などがあり、チトは「起爆のための銃弾はユーが持ってたよね?」と言いました。
このような不穏なセリフもありましたが、その後に続くコマでは黒い石の遠景や都市の様子、黒い石の表面に記された図形と、具体的に死亡したかどうかは描かれてはいませんでした。
黒い石の考察は以下の記事でしています。気になる方はそちらもご覧ください。
▶【少女終末旅行】最終巻に登場する黒い石とは?壁画や月との関係などを考察
アニメのラストについて
アニメ版は、原作4巻の32話で描かれたエピソードでエンディングを迎えます。
アニメ12話において、チトとユーリは巨大な潜水艦内を探索していました。
そのとき、カナザワから貰った写真機に記録されていた写真や映像が潜水艦内で再生され、過去の様子がホログラムのように浮かび上がります。
さらに、その最終話では白く細長い存在が登場。
彼らは以前に二人が拾った「ヌコ」の成体であり、不安定な物質を取り込んで分解する存在でした。
このとき、エリンギのような見た目をした成体が「最上層以外で生きている人間は君たち二人以外に知らない」と話し、チトとユーリしか生存者がいないことが語られます。
成体たちは空へと旅立ち、残された二人は最上層を目指して旅を続けるのでした。
まとめ
『少女終末旅行』のラストは、明確な答えを提示しないからこそ、多くの余韻と想像を残しています。
チトとユーリのその後、生死の解釈。どれも読者の受け取り方に委ねられています。
最終巻では、頼りにしていたケッテンクラートが壊れ、集めてきた本も燃料として燃やす場面が描かれました。
そして辿り着いた最上層には、ただ冷たい雪と黒い石があるだけ。
あまりにも静かな終わりに、思わず胸が締めつけられます。
それでも、「生きるのは最高だった」というユーリの言葉には、不思議と希望がありました。
答えのない世界で、それでも生きることを肯定する。それが『少女終末旅行』の本質なのかもしれません。
よかったら二人の旅をぜひ原作漫画でご確認ください!
別記事では少女終末旅行の「アニメ化されたのはどこまでか」「続きは何巻からか」などについて解説しています。良ければそちらもご覧ください。
また、以下の記事では視聴可能な配信サービスについても紹介しています。見てみたいという方はぜひご確認ください!
ちなみに、以下では他の終末モノのおすすめ漫画を紹介しています。気になる方は是非チェックしてみてください!

