『魔法少女育成計画 restart』は、遠藤浅蜊による「まほいく」シリーズの第2作目です。
今作では、16人の魔法少女がRPG風の仮想世界に閉じ込められ、協力しながらも過酷な生存ゲームに挑みます。
1作目と比べて前後編構成となり、描写のボリュームが大幅にアップ。さらに人狼的な要素も加わり、よりスリリングな展開が楽しめます。
この記事では、前作との違いやキャラクターの魅力を中心に解説していきます。
また、別の記事では「まほいく」シリーズ全体の読む順番についてもまとめています。アニメから入った方や、これからシリーズを追いかけたい方は、ぜひそちらもチェックしてみてください。
さらに、『魔法少女育成計画』関連の最新情報が知りたい方は公式のポータルサイトを参照してください。
『魔法少女育成計画 restart』とは?
『魔法少女育成計画restart』は、遠藤浅蜊によるまほいくシリーズ2作目にあたる作品です。
本作は原作小説の第2巻~第3巻に相当し、前作『魔法少女育成計画』の後の時系列で描かれています。
舞台やキャラクターは前作と異なりますが、基本的なコンセプトや世界観は共通しています。
また、一部のキャラクターや伏線が受け継がれているのも特徴です。
ちなみに、2023年には本作のアニメ化が正式に発表。
それ以降も「まほいく」のストーリーをさらに補完するような朗読劇の第2弾が開始しており、さらには舞台化もされました。
前作(無印)との違いは?
本作を前作と比較した場合、以下の点で異なっています。
- 舞台設定の変化:前作では現実世界を舞台にして魔法少女たちが生き残りを賭けて戦うバトルロイヤルが展開されました。一方で、今作では魔法少女専用の仮想空間であるRPG風のゲーム内が舞台です。
- 物語の進行と展開:前作は、魔法少女同士の直接的な戦闘や策略が中心でしたが、今作では「人狼ゲーム」のような要素があり、ミステリー的な側面も追加されています。また、「魔法の国」の設定も少しずつ明かされていきます。
- キャラクター視点の明確化:今作から各パートの冒頭に、どのキャラクターの視点で物語が進行するかが明記されるようになりました。それにより、視点の切り替わりが理解しやすくなっています。
『魔法少女育成計画restart』あらすじを紹介
魔法の国に選ばれ、人助けに勤しんでいた16人の魔法少女たち。
ある日、彼女たちのもとに謎のメッセージが届くと、突如として異空間へと転送されます。
そこは新たに生まれ変わった魔法少女育成計画のゲーム世界でした。
そのRPG風の世界で、彼女たちはテストプレイヤーとして仲間と協力し、封印されたエリアを解放しながら最深部に潜む魔王討伐を目指します。
しかし、やがて魔法少女たちはゲームの裏に隠されたある真実を知ることになります。
『restart』やそれ以外のシリーズについてのストーリー解説は別の記事で解説しているので、良ければそちらもご覧ください。
『魔法少女育成計画 restart』登場する魔法少女たちを紹介!
ペチカ
| 本名 | 建原智香(たてはら ちか) |
| 魔法 | とても美味しい料理を作れるよ |
| 好きなもの | 一生懸命な人、美味しそうに食べる人、カボチャのスープ |
| 嫌いなもの | 暴力、食べ物を粗末にすること、甘すぎるケーキ |
ペチカはパティシエ姿の魔法少女です。
内向的で引っ込み思案な性格ですが、仲間思いの優しい一面を持ちます。
戦闘には向かない魔法ですが、5分の間、手で触ったものはどんなものでも料理に変えられます。
ストーリーの序盤では、パーティーを組んだクランテイル、リオネッタ、御世方那子からお荷物扱いされていましたが、料理の力で仲間を支え、しだいに信頼を得ていきます。
クランテイル
| 本名 | 尾野寧々(おの ねね) |
| 魔法 | 半分だけいろんな動物に変身できるよ |
| 好きなもの | 米料理、生物図鑑、のんびりすること |
| 嫌いなもの | 争いごと、急かされること、鶏料理 |
クランテイルは、和服姿で下半身が動物の形をした魔法少女です。
彼女の魔法「半分だけいろんな動物に変身できるよ」によって状況に応じた動物の下半身に変身できます。
無口で感情を表に出しにくい性格ですが、動物化した下半身で無意識に感情を示すことも。仲間思いな性格であり、パーティーのリーダー的存在にいます。
戦闘能力が非常に高く、作中では虎やキリン、ドラゴンに変身して敵と戦っていました。
御世方那子
| 本名 | アンナ・サリザエ |
| 魔法 | どんな動物とも友達になれるよ |
| 好きなもの | ペット、寺社仏閣、餡子を使ったお菓子 |
| 嫌いなもの | リオネッタに食べさせられた納豆、栗のイガ、嫌味 |
御世方那子は巫女装束をまとった魔法少女で、和風な見た目とは裏腹に、実際は外国人の少女です。
彼女の魔法は倒した動物を使役する能力で、作中では小鬼といったモンスターも従えて戦闘を行っていました。
ドライな性格であり、使役した動物を愛でるものの、新たな友達を得ると前の動物には執着しません。
また、リオネッタとはそりが合わないようで、たびたび衝突を繰り返しています。それでもリオネッタがピンチのときには助けに入るなど、仲間意識はあります。
リオネッタ
| 本名 | 九条李緒(くじょう りお) |
| 魔法 | 人形を思い通りに操ることができるよ |
| 好きなもの | 仕立ての良い服、美味しい料理、立派な家 |
| 嫌いなもの | 騒々しい女、野暮ったいもの |
リオネッタはゴスロリ姿の魔法少女で、人形のような見た目をしています。
マネキンや石像などさまざまな人形を自在に操作できる魔法を使用しています。
お嬢様口調ながら皮肉屋で、嫌味を言うこともしばしば。
特に那子とは口喧嘩が絶えません。一方で、ペチカの料理には舌鼓を打っており、その料理のおかげでリオネッタの機嫌が良くなり、ペチカを仲間だと認識するようになりました。
ちなみに、『魔法少女育成計画episodes』に収録されている短編『マジカルイリーガルガール』ではリップルと出会ったことがあり、そこでは激闘が繰り広げられていました。
マジカルデイジー
| 本名 | 八雲菊(やくも きく) |
| 魔法 | 必殺のデイジービームを撃てるよ |
| 好きなもの | アニメ『マジカルデイジー』、ビーム |
| 嫌いなもの | アニメを馬鹿にする発言、貧乏、疲労 |
マジカルデイジーはメルヘンチックな装いの魔法少女で、作中世界ではアニメ化されたほどの有名人です。
彼女は触れたものを分解・消滅させられる光線を放つことができます。
非常に強力な魔法ですが、魔法の国から人に向けて放つことを禁じられ、もっぱら産業廃棄物などの処理などに使用しています。
ちなみに、魔法少女としての生活に時間を割いていたため生活は困窮しており、安アパート暮らしです。『restart』の冒頭ではそんな八雲菊のひもじい大学生活の様子も描かれていました。
のっこちゃん
| 本名 | 野々原紀子(ののはら のりこ) |
| 魔法 | まわりの人の気分を変えることができるよ |
| 好きなもの | お母さん、お菓子作り、ドッジボール |
| 嫌いなもの | 無責任な人、焦げた焼き魚、貧乏 |
のっこちゃんはメイド服と猫耳が特徴の魔法少女。『まほいく』シリーズでは酷い目に遭いがちな小学生魔法少女のひとりです。
幼少期のころから魔法少女をしているベテランで、4歳のころに深く考えず名前を考えたことで「のっこちゃん」になりました。
彼女の魔法は、自身の感情を周りに伝えるというものであり、その魔法を駆使することで相手の気持ちを変えたりできます。
入院中の母のために賞金獲得を目指しており、ゲーム攻略に勤しんでいます。
夢ノ島ジェノサイ子
| 本名 | 園田かりん(そのだ かりん) |
| 魔法 | 魔法のスーツでどんな攻撃もへいきだよ |
| 好きなもの | 漫画、アニメ、ゲーム |
| 嫌いなもの | 意識高い系、荒らし、オタク差別 |
夢ノ島ジェノサイ子は、ヒーロースーツに身を包んだ特撮ヒーロー風の魔法少女で、マジカルデイジーと同じパーティーに所属しています。
明るく社交的な性格で、オタク気質な一面もあります。
ジェノサイ子の魔法は「魔法のスーツでどんな攻撃もへいきだよ」であり、頭部のバイザーを下ろしていれば溶岩の中にいても傷ひとつ付きません。
なお、正体は漫画家であり、短編ではラ・ピュセルと出会ったことがありました。
@娘々
| 本名 | 棚橋陽真理(たなはし ひまり) |
| 魔法 | お札の中に物を閉じ込められるよ |
| 好きなもの | フットサル、馬鹿騒ぎ、ビール |
| 嫌いなもの | ノリの悪い人、頭痛、昔を思い出すこと |
@娘々はチャイナ服を着た拳法家風の魔法少女です。
語尾に「アル」を付けていますが、実際は中国文化に詳しくありません。
明るくミーハーな性格で、同じようにキャラ作りをしている夢ノ島ジェノサイ子とは気が合います。
彼女の魔法はお札にさまざまな物体を自由に出し入れできます。巨大な物体をお札にしまうこともでき、魔法の国からの配達依頼をこなしていました。
プフレ
| 本名 | 人小路庚江(ひとこうじ かのえ) |
| 魔法 | 猛スピードで走る魔法の車椅子を使うよ |
| 好きなもの | 美味しい紅茶、護への悪戯、秘密 |
| 嫌いなもの | 有能な敵、無能な味方 |
プフレは車椅子に乗ったお嬢様風の魔法少女で、実際には普通に歩けます。
頭脳明晰かつ冷酷な戦略家で、目的のためならどんな手段も厭わない性格。
幼いころから付き従うシャドウゲールには特別な執着を見せることがあり、シャドウゲールのことを第一に考えています。
彼女の魔法は「猛スピードで走る魔法の車椅子を使うよ」であり、応用の利かない魔法ではあるものの、シャドウゲールの改造によりビーム発射機能が搭載されています。
シャドウゲール
| 本名 | 魚山護(ととやま まもり) |
| 魔法 | 機械を改造してパワーアップできるよ |
| 好きなもの | 自由、自室の椅子、ゲーム |
| 嫌いなもの | お嬢の悪戯、理不尽なこと、毛虫 |
黒いナース服を着た魔法少女で、プフレの忠実な従者です。
クールな性格ながらプフレに振り回されることが多く、皮肉を言うことも。
シャドウゲールの魔法は非常にポテンシャルが高く、車椅子にビーム発射機能を搭載したり、多脚戦車を作ったりできます。
実際の姿は高校生の魚山護で、プフレこと人小路庚江に代々仕えている家の出身です。
マスクド・ワンダー
| 本名 | 三田好(みた このみ) |
| 魔法 | いろんなものの重さを変えられるよ |
| 好きなもの | 勉強、ヒーローものの作品、マニュアル |
| 嫌いなもの | 怠惰、享楽、痴女呼ばわりする奴 |
マスクド・ワンダーはアメコミヒーロー風の魔法少女です。
車椅子姿のプフレを見て、彼女を襲っていたモンスターを撃退後、プフレのパーティーに加わりました。
魔法は「いろんなものの重さを変えられるよ」であり、巨大な相手を軽量化して吹っ飛ばしたり、自らの拳を重くして強力な一撃を繰り出したりできます。
敵を倒した際には決めポーズを取るなどやや暑苦しいところがあり、プフレたちからは「人がたくさん集まっているところではやめてほしい」と思われています。
ディティック・ベル
| 本名 | 氷岡忍(ひおか しのぶ) |
| 魔法 | たてものとお話しできるよ |
| 好きなもの | 探偵もののフィクション全般、叙述トリック、焼肉 |
| 嫌いなもの | 汚い壁、サービス残業、熟しきったトマト |
ディティック・ベルは探偵姿の魔法少女で、実際の職業も探偵です。
チームリーダーとして、訛りが強いメルヴィルや動物魔法少女のチェルナー・マウスたちをまとめる苦労人的なポジションにいます。
「たてものとお話できる」という魔法は、建造物にキスをすることで疑似的に人格を付与し、情報を引き出せる能力です。
ゲーム世界では建物がゲームマスターの所有物扱いであるため、有力な情報を得ることは難しいです。
作中では、現実世界ではとある理由により、ログアウト時に他の魔法少女の身元を調査するため魔法を活用していました。
ラピス・ラズリーヌ
| 本名 | 米田瑠璃 |
| 魔法 | 宝石を使ってテレポートできるよ |
| 好きなもの | 楽しいこと、嬉しいこと、カッコいいこと |
| 嫌いなもの | 悲しいこと、辛いこと、カッコ悪いこと |
ラピス・ラズリーヌはディティック・ベルと行動をともにする魔法少女です。
清楚で優しそうな見た目をしていますが、フランクで人懐っこい一面があります。
もともと「ブルーコメット」として魔法少女になりましたが、現在ではラピス・ラズリーヌとなっています。
魔法の宝石を使ったテレポートによりどんなに離れていても宝石があれば転移ができ、戦闘面でも非常に有用な能力です。
チェルナー・マウス
| 本名 | ー |
| 魔法 | ものすごく大きくなれるよ |
| 好きなもの | ファミリー、美味しい食べ物、毛づくろい |
| 嫌いなもの | 猫、縄張り荒らし、殺鼠剤 |
チェルナー・マウスはハムスターの着ぐるみを着た魔法少女です。
言動は幼く、わがままなところがあります。実は、正体は小動物であり、まほいくシリーズで初めての動物魔法少女です。
30メートル以上も巨大化することが可能で戦闘力はトップクラス。しかし、チームの指示を無視するためベルを困らせることもあります。
メルヴィル
| 本名 | 久慈真白(くじ ましろ) |
| 魔法 | 色を自由に変えられるよ |
| 好きなもの | 勝利、ぼたん鍋、野宿 |
| 嫌いなもの | 敗北、押しつけがましい人、ウルシ |
メルヴィルは薔薇の蔦や花が特徴的なエルフ耳の魔法少女です。
強い訛りのためラピス・ラズリーヌ以外とは会話があまり通じず、本人も気にしているためほとんど喋りません。
色を自由に変えられる魔法を持ち、カモフラージュや錯覚を生み出すことが可能です。かなり応用が利く魔法であり、固有アイテムの銛と合わせて非常に強力な魔法少女だと言えます。
アカネ
| 本名 | 不破茜(ふわ あかね) |
| 魔法 | 見えているものならなんでも斬れるよ |
| 好きなもの | 無し |
| 嫌いなもの | 音楽家 |
アカネはサムライ姿の魔法少女で、作中ではどのパーティーにも属さず単独で行動しています。
ゲーム開始時からすでに正気を失っており、「音楽家」なる存在を探していました。
アカネは「見えているものならなんでも斬れる」魔法を使い、視界内のあらゆるものを切断することができます。
また、斬る際には距離は関係なく、布越しでも相手に攻撃できます。
キーク
| 本名 | ー |
| 魔法 | 電脳空間で自由自在に行動できるよ |
| 好きなもの | 正しい魔法少女、ジャンクフード |
| 嫌いなもの | デスマーチ、正しくない魔法少女、生意気な奴 |
キークはビキニの上に白衣を羽織り、眼鏡をかけた魔法少女です。
「魔法の国」IT部門のトップであり、魔法少女たちを試すために『魔法少女育成計画 restart』のゲームを開発したゲームマスターでもあります。
彼女の魔法によって仮想空間を自由に操ることができ、データ上で過去の魔法少女を再現することも可能。
魔法少女に正しさを求めており、スノーホワイトに強い憧れています。
しかし、彼女に認められず、やがてキークの信念を揺るがすことが起きます。
スノーホワイト
| 本名 | 姫河小雪(ひめかわ こゆき) |
| 魔法 | 困っている人の声が聞こえるよ |
| 好きなもの | 友達、家族、魔法少女 |
| 嫌いなもの | 悪党魔法少女 |
スノーホワイトは前作の主人公であり、今作から「魔法少女狩り」と呼ばれるようになった魔法少女です。
今作では、ペチカたちにゲームを強制したキークの捕縛を目的としてストーリーに関わってきます。
スノーホワイトの魔法は前作よりも進化しており、相手が無意識に恐れていることや隠したい情報を察知できるようになりました。
これにより、電脳空間では無敵のキークの優位を崩し、彼女の抱える真実を突き付けます。
まとめ
『魔法少女育成計画restart』は、バトルロイヤル×人狼ゲームの要素が合わさったような作品。
仮想空間での熾烈なバトルや、個性豊かなキャラクター、予想外のラストが魅力です。
前作が気に入った方もそうでない方も、今作からさらに「まほいく」の面白さが溢れてくるので、ぜひ本編も読んでみてください!

