【ゴールデンカムイ】のっぺらぼうとは?正体・目的・最後や偽物を徹底解説

【ゴールデンカムイ】のっぺらぼうとは?正体・目的・最後や偽物を徹底解説 漫画
※当サイトにはアフィリエイト広告が含まれています(PR)。

『ゴールデンカムイ』に登場する「のっぺらぼう」は、金塊争奪戦を巻き起こした中心人物であり、作中では狙撃されて死亡していまいます。

本記事では、そんな彼の正体や目的、最後、網走監獄編で現れた偽物について解説していきます。

ストーリーのネタバレを含むためご注意ください。

なお、『ゴールデンカムイ』のアニメと原作について、以下の記事では各期の対応巻を紹介しています。よければそちらもご覧ください!

▶【ゴールデンカムイ】アニメは原作のどこまで?各期の対応巻やOADが配信されているサービスを紹介

 

『ゴールデンカムイ』のっぺらぼうとは

のっぺらぼうは金塊争奪戦を引き起こした重要人物

のっぺらぼうは、かつてアイヌたちが和人の圧政に備えて密かに集めた金塊を奪い去った張本人とされています。

彼は金塊をどこかへ隠したまま逃走しますが、支笏湖付近で捕らえられ、網走監獄へ送られました。死刑囚として収監された後も、金塊の行方をめぐって看守たちに狙われます。

その際、のっぺらぼうは「仲間に金塊の在り処を伝えるため」として、同房の囚人たちの身体に暗号の刺青を彫りました。

「脱獄に成功した者には金塊の半分を与える」と言い残し、彼らを逃がします。

しかし、この刺青は皮膚を剥がす、あるいは写しを作って多くの刺青を集めないと意味をなさない仕組みでした。結果として、その刺青人皮を奪い合う金塊争奪戦が勃発しました。

 

異様な見た目とその理由

「のっぺらぼう」という名の通り、彼の顔は皮膚を削がれたようにのっぺりとしています。

実はその見た目になったのは自らの死を偽装するために顔の皮膚を剥いだからです。当時、のっぺらぼうは追われる立場にありました。

そこで彼は、すでに亡くなっていたキムシプという老人の遺体を利用します。自分の顔の皮を剥ぎ取り、それをキムシプの頭にかぶせることで、あたかも自分が死んだかのように見せかけたのです。

こうして彼は「のっぺらぼう」として世間から姿を消し、生き延びました。

 

『ゴールデンカムイ』のっぺらぼうの正体・目的・偽物

のっぺらぼうの正体はウイルク

のっぺらぼうの正体は、アシㇼパの父「ウイルク」です。

この事実は、漫画第5巻48話・アニメ第10話で、ウイルクの旧友キロランケの口から明かされました。

ウイルクは南樺太出身で、ポーランド人の父とアイヌの母を持つ混血の男性。青い瞳はアシㇼパと同じで、彼が父であることを示す象徴的な特徴でもあります。

彼はかつて帝政ロシアの圧政に抗い、キロランケたちとともにアレクサンドル2世暗殺に関与した過去を持ちます。

そのため指名手配され、ロシアから逃れるようにして北海道へ渡り、小樽で妻と出会い、娘アシㇼパが生まれました。

 

ウイルクの目的は北海道独立だった

ウイルクの真の目的は、北海道を独立させ、日本やロシアの支配からアイヌの人々を守ることでした。

もともと彼はキロランケとともに「極東連邦国家」を築くという壮大な理想を掲げていましたが、アシㇼパの誕生をきっかけに、その考えは現実的に実現できそうなものへと変わっていきます。

彼が目指したのは、血と武力による革命ではなく、アイヌが自らの土地と文化を守りながら生きていける未来。

そして、独立して建国するために必要だったのが、莫大な資金。すなわちアイヌの金塊でした。

ウイルクが金塊を奪い、隠したのは単なる裏切りではありません。彼は金塊を「戦争の種」ではなく「独立の礎」として使うつもりでした。

 

のっぺらぼうの偽物は誰?

原作13巻において、杉元とアシリパ、白石が監獄内に侵入した際、偽物ののっぺらぼうと遭遇します。

彼は本物と同じように顔の皮膚を剥がされ、杉元たちと出会うと叫び声をあげていました。

このとき、典獄の犬童が「私が密かに作った非常報知器が上手く作動したようだな」と発言しており、犬童が用意した偽物だと考えられます。

偽物の名前や正体は判明していませんが、犬童が作ったと言っていたのでもともと網走監獄にいた囚人を利用したのかもしれません。

ちなみに、作中では土方歳三が看守部長の門倉とつながっています。キロランケや牛山には何も言わず監獄内を出歩いていたので、土方は房の中にはのっぺらぼうの偽物がいると知っていたと思われます。

 

『ゴールデンカムイ』のっぺらぼうの最後をネタバレ解説

のっぺらぼうの最期を紹介|死亡したのは網走監獄編(アニメ2期)

のっぺらぼうことウイルクの最期は、網走監獄での襲撃戦の最中に訪れました。 杉元たちは金塊の真実を探るため、網走監獄に潜入。

そこへ第七師団も襲撃を仕掛け、監獄内は混乱に包まれます。 その中で杉元はついにのっぺらぼうと対面。

彼がアシリパのマキリ(短刀)を見て反応したことから、ウイルク本人であることが確定します。

のっぺらぼうはアシリパを「アイヌを導く存在」と称し、「金塊の真実を知りたければ、彼女を連れて来い」と語りました。

さらに照明弾の明かりでインカラマッとアシリパを見つけ、「アイヌを殺したのは私じゃない」と弁明し、「アシㇼパに伝えろ……金塊――」と真実を告げようとしたその瞬間、銃声が響きます。

ウイルクは頭部を撃ち抜かれ、その場で息絶えました。

ウイルク(のっぺらぼう)の正体や最期が描かれる「網走監獄編」は、アニメ『ゴールデンカムイ』第2期で映像化されています。

 

のっぺらぼうを狙撃したのは誰?

彼を狙撃したのは、尾形百之助です。尾形はキロランケの指示を受け、密かにその機会をうかがっていました。

実はキロランケは、かつての同志であるウイルクと決別しており、彼を『群れを弱らせる狼』と見なしていました。

そして、愛憎入り混じる複雑な感情の中で、「ウイルクは群れの中で弱った狼」だとしてウイルクが憧れていた狼と同じやり方で殺すことを決意しました。

 

『ゴールデンカムイ』ウイルクとの関係性

ウイルク(のっぺらぼう)は『ゴールデンカムイ』に登場する主要人物たちの関係性の中心にいる存在です。

登場人物同士のつながりを整理したい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください!

▶【ゴールデンカムイ】相関図&主要キャラ一覧|登場人物の関係を完全解説

 

アシㇼパとの親子関係

アシリパはウイルクの実の娘であり、「アシㇼパ」という名はアイヌ語で未来や明日を意味します。ウイルクは「アイヌの未来を切り開く存在になってほしい」という願いを込めてその名を与えました。

母を幼くして亡くした彼女は、父ウイルクの手で育てられ、共に北海道各地を旅しながら自然の知識や狩猟技術、そしてアイヌの文化を教わります。その中で、のちに金塊の暗号を解く鍵となる言葉「ホロケウオシコニ」も伝えられました。

しかし、ウイルクが鶴見の追跡を逃れるために網走監獄へ入ったことで父娘は離れ離れになります。

その後、「のっぺらぼう」と呼ばれる男にウイルクが殺されたという報せが届き、アシㇼパは真相を確かめるため、金塊争奪戦に身を投じることになります。

やがてアシㇼパは、のっぺらぼうこそが父のウイルクであり、彼が自らの死を偽装していたことを知ります。

網走監獄では直接会う前にウイルクが尾形によって射殺され、金塊について聞けずにいました。

ですが、「樺太編」ではキロランケやソフィアからウイルクの過去を聞くことで暗号の鍵となる言葉を思い出し、金塊に秘められた「アイヌの未来」という父の理想を継ぐ決意を固めます。

 

ソフィアとの関係

ソフィアは、ロシアの反体制組織の指導者であり、ウイルクやキロランケと共に帝政に立ち向かった革命の同志です。

元は裕福な家庭に生まれた令嬢でしたが、理想に目覚めて革命運動に身を投じ、やがてウイルクと深い絆を結びました。彼に対しては同志以上の想いを抱いており、彼の死を知った際には涙を流して悲しんでいます。

長い収監生活を経て逞しい肉体と強靭な精神を得た彼女は、脱獄後にアシㇼパへウイルクの過去を伝えることで、彼女が金塊の暗号を解く手がかりを得る重要な役割を果たしました。

 

キロランケとの関係

キロランケは樺太出身のアイヌです。かつてウイルクとともに帝政ロシアの皇帝を暗殺したパルチザンの同志でもありました。

2人は極東ロシア・樺太・北海道を一つの独立国家「極東連邦」とする理想を掲げ、行動を共にしていました。

しかし、ウイルクが途中で計画を変更し、「北海道だけを独立させるべきだ」と主張したことで、2人の間に決定的な溝が生まれ、決別してしまいます。

自らの故郷を捨てようとするウイルクを「変わってしまった」と憤ったキロランケは、ウイルクを裏切り、ついには彼の命を奪う道を選びました。

 

鶴見中尉との関係

鶴見中尉は日本軍のスパイとしてロシアに潜伏し、写真館を営みながら妻フィーナと娘オリガと平穏に暮らしていました。このとき、長谷川幸一という名前で生活していました。

そこへ、反帝政ロシアのウイルク、キロランケ、ソフィアが現れ、日本語を学びたいと彼のもとを訪れます。

三人は偽名を使って身を潜めていましたが、長谷川の正体がロシア秘密警察に露見。取り締まりに来た秘密警察を、ウイルクたちは自分たちを狙ったものと勘違いし、銃撃戦を起こしてしまいます。

その最中、妻子を避難させようとした長谷川でしたが、ウイルクが放った一発の弾丸がフィーナとオリガを貫き、二人は命を落としました。この出来事が、鶴見篤四郎の人生を狂わせてしまいます。

後年、鶴見は日本へ帰国し、第七師団中尉として再びウイルクと対峙。彼にとってウイルクは、かつての同志でも敵国の革命家でもなく、「最愛の家族を奪った張本人」でした。

鶴見はその復讐心を軍人としての信念と結びつけ、ウイルクを追い詰め、支笏湖でついに追撃します。

結果、ウイルクは顔の皮を剥いで死を偽装しますが鶴見中尉に追い詰められ、犬童典獄によって網走監獄に収監されました。

そうして、のっぺらぼうとして幽閉されることになりました。

 

インカラマッとの関係

インカラマッは、各地を放浪するアイヌの女占い師です。

幼い頃に孤児となり、旅の途中でアシㇼパの父・ウイルクと出会い、北海道アイヌの文化や言葉を教えながら共に過ごしました。

ウイルクに淡い恋心を抱いていましたが、彼の結婚を機に離別し、その際に友の証として彼の母の着物を受け取ります。

成長後は「シラッキカムイ」と呼ばれる白狐の頭骨を使う占い師として名を広め、杉元たちと行動を共にするようになります。

ウイルクの死後は真相を追う中で鶴見中尉と接触し、表向きは協力関係を結びながらも本心ではウイルクとアシㇼパの無事を願って行動していました。

 

『ゴールデンカムイ』のっぺらぼう解説まとめ

のっぺらぼう=ウイルクは、金塊争奪戦を巻き起こした原因であると同時に、アイヌの未来を憂いた理想家でもありました。

彼の行動は多くの誤解と悲劇を生みましたが、最期まで貫いたのは「民族の尊厳を守る」という信念です。

作中では、キロランケと決別したことがきっかけで狙撃されて死亡してしまいます。より詳細なウイルクの行動や金塊争奪戦の結末について知りたい方は、ぜひ本編を読んでみてください!

タイトルとURLをコピーしました